特養ブログ

福祉用具【手すり編】

手すりは、利用者の動作を補助し、安全な歩行や移動を助けるといった役割をもちます。そして、肩関節より指先までの上肢を使って体位を安定させることができる、住まいの整備のための福祉用具のひとつといえます。

そこで前回の【車椅子編】(R2年6月2日)に引き続き、

今回は、特別養護老人ホーム成華園の建屋内に設置されている福祉用具【手すり編】を紹介します。

 

主に手すりは、

①屋外通路や屋内の廊下、階段などで、体の位置を移動させるときに使うもの(写真1~5)と、

②トイレや浴室、ベッド、ドアの開閉などで体の位置はそれほど移動させないが重心の上下移動などの立ち座り動作や移乗動作、立ち止まる際、しっかりつかまって使用するもの(写真4~7)

の使い方による①と②の2種類に分類されます。

 

↑↑↑ 体の位置を移動させるときに使う室内廊下の横手すり①(写真1)

 

この横手すりは、体が床面を移動するときに重心位置も平行に移動する廊下で用いられます。主に手を滑らせながら使用し体の位置を移動させます。

特別養護老人ホーム成華園では、床面より上部約80cmの位置に設置しています。(写真1)

 

↑↑↑ 横手すりの取り付け(写真2)

 

横手すりは、手すり下部から受け金具(半U字形)で受けるように取り付けています。(写真2)

もし手すりを真横から受ける金具では、握った手を滑らせていくと手すり受け金具に当たって握り替えることを必要とするので不適切となります。

 

↑↑↑ 横手すりの端部(写真3)

 

廊下や階段などで使用する横手すりは、端部を壁側に曲げ込んで納めるようにしています。(写真3)

エンドキャップを取り付けるだけの方法では、

❶手すりの端部に体をぶつけたり、

❷寝間着やコートなど袖口が大きく開いた衣類を着用していると、手すりの端部に引っかかりやすく、

それぞれ利用者の危険な転倒事故の原因となります。

 

↑↑↑ トイレ内での便座付近の手すり①と②(写真4)

 

トイレ便座の前方にある手すり①と、トイレ便座右の窓側にある手すり②を比較すると、違う太さであることが分かりますか?

手すり②は、手すり①よりも、利用者がしっかりつかまって使用するため、一回り細くてにぎりやすくしています。

ほかに利用者のトイレ便座での立ち座り動作など、体の垂直移動があるため、手すり②は床面に対して平行(横手すり)だけでなく垂直(縦手すり)にも取り付けています。

そして、手すり②は、利用者の体をスムーズに重心移動し、移乗などの介助を容易にできるようやや”遠くて低い”位置に設置されています。

 

↑↑↑ トイレ内での便座左側の手すり①が跳ね上がった状態(写真5)

 

便座の両側に手すりを取り付ける場合、片方を可動式手すりにして、介助動作や【車椅子】⇔【トイレ便座】への移乗動作の際にも邪魔にならず使いやすくしています。

垂直方向に可動する跳ね上げ式の手すり①(トイレ内での便座左側)は、トイレ側方にスペースのない場合に有効となります。(写真5)

 

↑↑↑ 浴室内での浴槽付近の手すり(写真6)

 

浴室内においても、立ち座り動作など、体の垂直移動があるため、手すり床面に対して平行(横手すり)だけでなく垂直(縦手すり)にも取り付けています。

浴室で浴槽に入る時には、体を横に移動するので、横手すりへつかまりやすくなります。

ほかに浴槽側面の上部に直線の凹みがあります。ここに利用者が手指を入れてつかまることで、手すりの代用にもなります。(写真6)

 

今回のブログは、

・福祉住環境コーディネーター公式テキスト(東京商工会議所編)

を参考文献として使用し作成しました。

 

結びに、最後まで読んでくれて、そして見ていただきまして、ありがとうございました。

また反響があれば、次回【〇〇編】に続きます。おわり

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