福祉用具【床走行式リフト編】
特別養護老人ホーム成華園では、介護ロボットを導入し、ご利用者の安全とスタッフの身体的負担軽減をそれぞれ図っています。
その一環として、移動用の床走行式リフトを導入しました。
そこで、当施設において介護職員が、その床走行式リフトの演習を行ないました。
「床走行式リフト」は、自力や人的な介助だけで移動・移乗が困難な場合に用いることを目的とした福祉用具です。
その中でも、吊り具を身体の下に敷き込み、それをハンガー部分に引っかけてアームを上げることで、ご利用者の身体を持ち上げ、その状態で床の上を移動するのが「床走行式リフト」です。
アームの駆動方式は、電動でコードレス充電式のものを採用しています。
床を走行するキャスタが小さく、敷居など段差の乗り越え時に、リフトで持ち上げた状態のご利用者ごと転倒する可能性もあるため、ベッドのある居室の中だけで使用されることが多くなります。
ベッドと車椅子間の移乗手段は、リフトでご利用者の身体を懸吊して、上下・平行移動します。
リフト本体の床走行は、リフト架台にキャスタが付いており、両端の操作バーを握って行ないます。
要するに、これを操作する介護者は、ご利用者をリフトで持ち上げた状態のまま、キャスタで移動しながら移乗動作を行ないます。
ご利用者を任意の場所に移動できるのが、床走行式リフトの特徴です。
車椅子からベッドへ移動の際は、移乗先とリフトの位置合わせをしっかりと行なわないと介助が困難となり、安全性も確保できなくなるため、位置関係は細かく調整する必要があります。
リフトを上下・平行移動して、ベッドの適切な位置へ利用者を着地させる目安としては、ヘッドボードから身体の重心までの距離を約1m(1,000mm)に合わせることとされています。
このリフトを使用することにより、介護者がご利用者を人的に移動介助するよりも、両者にとってストレスなく安全に行なえます。
尚、成華園では、6月末までに特養全職員への演習を終え、実際に7月1日より、この床走行式リフトを運用して、ご利用者の移動・移乗介助を本稼働しています。
今回のブログは、参考文献として、
福祉住環境コーディネーター公式テキスト(東京商工会議所)を用いました。
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