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認知症を知る月間 2022.09
こんにちは!
日立市南部地区の皆様
地域包括支援センター 成華園の大垣です。
看護師として地域包括支援センター成華園に配属となり、はや半年です。
この度、初めてブログを担当する事になりました。
今回のブログでは、認知症月間にちなんだお話をさせて頂きたいと思います。
どうぞお付き合いください。
~この夏の帰省~
今年のお盆は、久しぶりに南関東にある、私の実家に子供達と出かけてきました。
車で片道2時間半、トイレ休憩以外はどこにも寄らず…半年ぶりです。
実家には、70才代の私の両親と父方の祖母がおり、高齢者3人の静かな暮らし。
93才の祖母は、今年の春ごろから、心臓の働きが悪くなり、在宅酸素を使うようになっている、と父から聞いていました。
夜も、ぐっすり眠れなくなることが多くなったと聞き、内心(もうそろそろ、覚悟が必要かな…)と寂しく感じていました。
夫の安全運転で、無事実家に到着(パパ、感謝!)。
久しぶりに祖母の部屋に行くと、ベッドに少しやせた祖母が寝息をたてて休んでいました。
(あぁ、やっぱり弱ってしまったのだな…)とそっと部屋を出て、これまた久しぶりに父と顔を合わせました。
変わらず元気な笑顔の父にほっとしながら、「お父さん、おばちゃんのお世話、ありがとう。お疲れ様。おばあちゃん、大分、弱っちゃったね~」
と声をかけると、
「とんでもない、ばあさんはすごい元気」
と、父は大きく手を横に振り、からからと笑いながら話し始めました。
昨年末から階段を登るのが大変になってきて、訪問診療にきりかえたこと、心不全で呼吸苦がでて2週間入院したこと、退院して家に帰るともりもりとご飯を食べ始め、あっという間に回復したこと、寝る時間が不規則になってきて、夜起きるようになったこと…などなど。特に変わったのは、「このところのブームは歌を歌うことみたいだよ。寝て目が覚めると、ずーっと歌ってる」
歌?
祖母は昔から、美空ひばりを今は懐かしいカセットテープで聞きながら、夕食の支度をする人でした。でも、自分で歌う姿は見たことがなかったので、「変わればかわるもんだな~」と、不思議に思っていると、父が「ほら、起きたみたい」と祖母の部屋を指さしました。
なるほど、祖母の部屋から、ほがらかな歌声が聞こえてきます。耳をすますと「お~て~て つ~ないで~…」と聞こえてきました。
めずらしい、童謡なんて、と思いながら祖母の前に行き、「ただいま~」と声をかけると、
「!」
と目を見開く祖母。
「帰って来たよ!」と応じる初孫(私の事ことです)。
「あら、よくきたね」と、いつものセリフを期待していると、口元に手を当てた祖母が、
「あら~、こんなになっちゃって!変わっちゃったね~!とし とったね~!あら~」
あら~、としとったね~、はこちらのセリフです、おばあちゃん。
「どうしてこんなになっちゃったの、かわっちゃったね~。あのこに にてるね、あれ、ほらあれ、ようこちゃん(父のいとこです)」
と顔を覗き込みながら、あら~、を続ける祖母。大きなお世話です、祖母よ。
半年前までは、「いい顔だね~、かわらないね~」と言っていたのに、むしろ、あれはただの気遣いだったのか?
祖母の話を「ふんふん」とうなずいて聞きながら、
(来たな~。気持ちいいくらい、ボケたな~)と、妙に納得していました。
仕事柄、認知症の方々と接することはめずらしくなく、まして、外で働いていた実母よりも長く時間をすごした祖母です。驚きはしましたが、むしろ、93才だもん、こうじゃなくっちゃ、くらいの心境です。
そうこうしているうちに、高校生、中学生の息子たちがぞろぞろと3人でやってきました。
「おばあちゃん、こんにちは」
口々に挨拶するひ孫を前に、またもや、
「あら~!あら~!」
を頻発する祖母。
「すっかりおおきくなったね~、もう、おかあさんより、おおきいね~」
誰が誰やら、わかってないよな~、でも、大きくなったことだけはわかるんだな~、としみじみしていると、
「あれ、もうひとりは?」
と、すっかり真顔になっていました。
もう一人とは、この3人の息子たちの姉のこと。
夏休みにもかかわらず大学の都合で、自宅で一人留守番していました。
(なんと、ひ孫のことは、覚えているのか?)
息子達が居間の父に挨拶しに行き、部屋が静かになると、
「よく来てくれたね~、忙しいでしょう?みんな大きくなって、たいへんだったね~」
と、祖母は声をかけてくれました。
ああ、そうか、少しずつ、少しずつ、思い出してるんだ。
孫とひ孫の記憶の糸を、ゆっくりと手繰り寄せるように引き出しているんだな~。
「あとでまた来るよ」といって、私が部屋の外に出る時、
「はいよ~、か~ら~す~なぜなくの~、からすはや~ま~に~」
と、速攻で童謡を歌い始める姿に、
(切り替え 早っ)
と、心でつっこみつつ、これはやっぱり認知症だよな~、とつぶやいたのでした。
子供のころから、自分の兄妹の世話に明け暮れて、小学校もまともに行けなかった田舎育ちの祖母は、童謡を歌うことなどありませんでした。
今、こうして起きている時は、ただひたすら童謡を口ずさむ姿を見て、
(今になって、やっと、子供らしい暮らしができているんだな~)と思わずにはいられません。
認知症の症状は、病気の種類によってさまざまありますが、その人の生きざまを投影する形で目に見える、とも言えます。
忘れること、物事が理解できなくなること、がその主症状だとして、それらの症状にその本人がどう感じてどう反応するのか、この辺に、その人らしさがにじみ出てくると思うのです。
忘れることに不安が強くなる人、できないのに強がってしまう人、怒ってその場をやり過ごそうとする人…、認知症特有の主な症状(中核症状といいます)にくっついて発生してくる負の感情(周辺症状といいます)は、その人の心の内側を表しています。
認知症になると、その人が別人のように感じたり、変わってしまって寂しくなったりすることがあるかもしれませんが、もともと、そうした感情が心の内側にあって、理性や見栄が隠していただけだったかもしれません。
そう考えると、認知症の人を「ありのままのその人」として受け止められるようになるのではないでしょうか。
などと、自分に向かって話しかけてみる、晩夏のひとときです。
(終)
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